戦前や戦後の日本には、肥満の人はほとんどいなかったそうですが、
最近は、肉類を中心としたタンパク質や、ご飯、パン、ラーメン、そば、うどん、
パスタなどを主食として炭水化物を多く摂り、
さらに、デザートに脂肪分が多く含まれているスイーツ類を食後に食べるなど、
あきらかに太りやすい食事内容になって、肥満に悩む人が増えています。
また、独身のサラリーマンなどは、朝はコンビニやファストフードで簡単に済ませて、
昼は、大盛りの定食をお腹いっぱい食べて、
夜は、仲間と居酒屋へ行って、高カロリーの揚げ物や肉料理などをつまみにして
酒を飲み、締めは、ラーメン店へという人が多く、肥満になる食生活となっています。
そんな中、なんとか肥満を解消しようと思い、
ダイエットを志す人が大勢いらっしゃいます。
実際、早朝から街の中をウォーキングやジョギングしている人をよく見かけますし、
スポーツジムを覗いてみると、ランニングマシンやエアロバイクを使って
汗を流している人が目立っています。
このように、ダイエットといえば、ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳、
エアロビックスなどの有酸素運動が代表的な運動として挙げられ、
ダイエットの王道とまでいわれています。
しかし、多くの人が、有酸素運動の効果に期待を持ち過ぎているように思われます。
確かに、有酸素運動は、体脂肪を燃焼するという効果がありますが、
その量は、ほんの微々たるものでしかありません。
例えば、体重約60キログラムの人が、1時間汗を流して、
8キロメートルのジョギングをしたとすると、
約480キロカロリーの消費量になります。
480キロカロリーという数値だけを見れば、
そこそこの消費に思われるかもしれませんが、
これを体脂肪1グラムを7キロカロリーとして換算すると、
480÷7で、約69グラムとなります。
ですが、この約69グラムの体脂肪エネルギーが
全てジョギングに使われるわけではありません。
運動を始めて、最初は体内の糖質がエネルギーとして使われるので、
基本的に体脂肪が燃焼されるのは、その半分とみるべきで、
実際の体脂肪の燃焼量は、多くても約35グラムになります。
1時間、たっぷりと汗をかいて頑張っても、わずか35グラムの燃焼にしかならず、
時間を多くかける割には効率が悪く、
有酸素運動だけで痩せるのは難しいというわけです。
それよりも、1日数分の筋力トレーニングで、筋肉を鍛えて基礎代謝量を高めれば、
これといった運動をしなくても、
1日あたりの総消費カロリー量を高くすることができて、
ダイエットを効率よくスムーズに行うことができます。
そもそも、忙しい毎日を過ごしているサラリーマンなどは、
休日以外に、なかなか運動する時間を確保することができません。
そのため、どうしても運動が続かなくなり、
途中で挫折することになってしまいます。
それでも、有酸素運動で体脂肪が燃焼することは事実なので
短期間で効果を求めず、時間がある時は積極的に運動するように心掛けましょう。
ちなみに、筋力トレーニングの後に、有酸素運動を行えば、
単独で行うより体脂肪燃焼の効率がアップします。